らーめん専門コンサルタントの「らーめんの美味しさ」その1

 食の味わいには色々な感覚がある。味、色、香り、見た目、それ以外にも店の雰囲気、店員さんの接客なども加わってくると思う。私はらーめん専門コンサルタントという仕事柄、一般の人より当然らーめん屋へ行く回数も、色々なお店へ行く事も多くなるのであるが、いくらなんでも毎日らーめんばっかり食べるわけではない。たまには寿司屋さんや、焼き肉も好きであるし、仲間の集まりと言えばどうしても、居酒屋になる事が多い。食事をする時にどうしても店員さんとのやり取りは避けて通れない。昔は寿司屋さんに行って「へい!いらっしゃい」という大きな声と「生ビール2つ」と注文すると、「へい!カウンターさん、生2丁」の掛け声が、寿司屋の美味さを倍増してくれた。最近では、居酒屋さんも元気で入店の時の掛け声や、注文した時の合図など、気分良く食事が出来る。特にあの「〇テーブル様、ご追加いただきました」と声を掛けると「はい、喜んで!!」と大きな声で全員が言ってくれるのは少し照れくさいくらいの思いをする。

 さてその中で、私達らーめん業界はどうだろうと考えた時に、この「接客」という一番大切な所をおろそかにしている店が多いように思う。

 先日の話である。1軒のらーめん店に入った。いらっしゃいの言葉も小さく、席の案内もないので、黙ってカウンターに座った。他にも数人のお客さんがいたのだが、いかにも怖そうな顔をした大将が一人、TシャツにGパンに汚いエプロンをして真ん中に立っていた。そして、中にいる若い男の子を怒鳴りつけているのである。「バカヤロー何べん言ったらわかるんだー」その声はお客さんにまる聞こえである。

 何回か前のブログで、私の祖父の話をした事があったと思うが、祖父はまるで、巨人の星の星一鉄のような人で、食事中、気に入らない事があると大声で怒鳴り、ちゃぶ台をひっくり返すのである。その度に祖母と大声でケンカをして、大祖母が黙って割れた茶わんや飛び散った食べ物を片付けるのである。私達子供は母に、すぐ避難させられ離れた所で食事をする。というより、母が「早く食べてあっち行きなさい」と言うのである。そんな時の御飯はどんなにお腹が減ってても、美味しくもなんともなかった事を思い出した。

 その店のらーめんも美味しいよという噂を聞いて行ったのだが、確かにらーめんだけの味はそれなりだったのだが、今思い出しても、味も何も覚えていない。

 自分の店なんだから、自分の思い通りにすればいい。その若い男の子が何を失敗したのかも解らない。しかし、一つだけ言っておくが、男の子の失敗は何とかなっても、大将の罵声は、絶対二度と店のお客をこさせない思いにさせる、大失敗ですから。

商いはお客様からお金をいただいて成り立つもの。お客様がいる前でいくらバカでも少しくらいは考えて、最低限のサービスくらいには気をつけろ!バカヤロー!